規範から読み解く産油国通貨: Analysing the Petro-Currencies Through the Lens of Norms

24th April 2026

EIDE Briefings

-規範から読み解く産油国通貨

規範の成熟度と経済格差は相互に影響し合う。




<民主主義指数> *アメリカは欠陥のある民主主義に分類される

ー北米では多文化主義で民主主義の規範を共有してきたのはアメリカとカナダである。

しかし帝国としての国際公共財を提供できなくなったアメリカは慈善的な大国ではない。

特にトランプが大統領に就任し民主主義を機能させてきた機関を弱体化させている。

地理的な近接性があるカナダ、アメリカとメキシコであるが規範の浸透度にはかなりの温度差がある。


ヨーロッパもロシアと接しているが冷戦期から国境を接してきたからこそヨーロッパ団結の根幹としての規範が強化されたのであろう。

地図から読み取ることができるようにヨーロッパでは概して共通規範の浸透度が高く一定している。





File:The Economist Democracy Index 2025.svg


AnimalLivesMatter


AnimalLivesMatter - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0,
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=188381912による



<ジニ係数の変遷>


地域レベルで見ると極端な富の変化率は5%も上昇しており世界各国の内部からの分断が加速している。

アメリカとカナダに目を向けると先住民やフランス語圏でもあり労働市場の流動性の維持が困難なケベック州の状況改善や、他州のアメリカ化の影響が推察される。

カナダの輸出の約75%はアメリカ向けである。

カナダは冷戦後の規範外交の主導国であり、隣国アメリカの民主主義の衰退が反面教師となり規範が浸透した社会は堅持されるであろう。

しかし政治的分断と経済格差の拡大には相互関係があるため注視する必要がある。




Subnational income inequality revealed: Regional successes may hold key to addressing widening gap globally

by Aalto University

edited by Stephanie Baum, reviewed by Andrew Zinin


https://phys.org/news/2025-12-subnational-income-inequality-revealed-regional.html


民主主義大国であったアメリカの規範の衰退は周辺地域(カナダ、メキシコ)にも影響を与えるだろう。

特にカナダはUSMCAの基、経済の血液である石油によりアメリカのエネルギー圏に取り込まれている。



<世界の産油国概観>


<主要国の一次エネルギー自給率比較(2022年)>

ーノルウェーは人口規模も小さく輸出余力が大きい。

主要国の一次エネルギー自給率比較(2022年)


主要国の輸入量及び輸出量(原油、石油製品) 2022>

図2.主要国の輸入量及び輸出量(原油、石油製品)2022

図2.主要国の輸入量及び輸出量(原油、石油製品)2022

出所:Statistical Review of World Energy Data(2023年)より作成


<主要国の輸入量及び輸出量(天然ガス)2022>

図3.主要国の輸入量及び輸出量(天然ガス)2022

図3.主要国の輸入量及び輸出量(天然ガス)2022

出所:Statistical Review of World Energy Data(2023年)より作成


<アメリカの主要な原油輸入元の輸入量推移(2005年~2023年)>

ーペトロパワーによるカナダの取り込み。

図8.主要な原油輸入元の輸入量推移(2005年~2023年)

図8.主要な原油輸入元の輸入量推移(2005年~2023年)

出所:米国エネルギー省統計局のデータより作成


<アメリカの原油輸入量の輸入元国別ランキング(2022年、2005年)>

ーシェールで競合することからナイジェリア、アンゴラからの輸入減少。

アメリカの米州での影響圏強化が見て取ることができる。

表4.原油輸入量の輸入元国別ランキング(2022年、2005年)

表4.原油輸入量の輸入元国別ランキング(2022年、2005年) 単位:千b/d

出所:米国エネルギー省統計局のデータより作成



<アメリカの石油製品輸入量の輸入元国別ランキング(2022年、2005年)>


表5.石油製品輸入量の輸入元国別ランキング(2022年、2005年)

表5.石油製品輸入量の輸入元国別ランキング(2022年、2005年) 単位:千b/d

出所:米国エネルギー省統計局のデータより作成


<アメリカのLNG輸出の輸出先別ランキング(2022年)>

表7.LNG輸出の輸出先別ランキング(2022年) 単位:BCF

表7.LNG輸出の輸出先別ランキング(2022年) 単位:BCF

*パイプライン輸出の輸出先はカナダ及びメキシコのみ。

出所:米国エネルギー省統計局のデータより作成



米国:世界最大の石油・ガス貿易国 ―輸出と域内貿易にシフトー

2023年08月18日 高木路子

https://journal.jogmec.go.jp/oilgas/info-reports/info-reports_01973.html



ロシアのウクライナ侵攻によりロシア産原油・天然ガスはアジアへ流れ、ヨーロッパが主な輸出先となった。

ヨーロッパはロシアのエネルギーリスクこそ減ったものの独裁的かつ不安定なトランプ政権の政策に脆弱になった。

また国境を接するロシアからの認知戦争・サーバー攻撃により安全保障リスクは依然として高い。

ここでEUを中心とするヨーロッパ圏を支えるのは人権や民主主義といった規範である。


経済安全保障面で存在感を増すのは産油国であるノルウェーである。

トランプ政権の間は安全保障上、同国の重要性は高まるであろう。



<Energy trading partners of EU>

ロシアーRussia ノルウェーーNorway







ホルムズ海峡封鎖で高まる北アフリカへの注目、今や欧州諸国のエネルギー調達先に!脱ロシア政策と両立した“成果”

高橋雅英( 中東調査会 主任研究員)

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40326?page=2


ここで主要産油国通貨の最近の騰落率を見てみよう。


<主要産油国通貨騰落率>

ーカナダ・メキシコはUSMCAを活用した非関税枠の貿易額が大きいがトランプは離脱も示唆し再交渉もありうる。

投資家は躊躇する側面であろう。

民主化が衰退し経済との負の相互作用が働いているアメリカと国境を接し、外需依存度が高いことも懸念要因だ。

外的ショックに翻弄されてしまうのである。


ヨーロッパに目を向けるとユーロはロシアの地政学リスクの影響を受けるが、それによって主要輸出品である原油の需要が増しノルウェークローネの価値は高まっている。

ロシアは自国が地政学リスクの発信源であり国内消費も少ないことから石油価格上昇の恩恵を受け財政状況は改善する。

オーストラリアは規範重視の伝統的なミドルパワーであり移民流入に寄る経済発展が見込まれる。また特に敵がいないことも資金流入の肯定的な要因である。

(もっとも目下不動産不況にあえぐ中国の経済圏にあることで上昇率は限られているのであろう)

ブラジルは決して安定的な国家とは言えないが高金利でアメリカと国境を接していないという点が評価されているか。


Currency Index

<ブラジルーBrazil、ロシアーRussia、豪ーAustralia、ノルウェーーNorway、カナダーCanada、メキシコーMexico>

原油高の恩恵薄いカナダドルとメキシコペソ ちらつく米国の影響

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL231W5TT20C26A4000000/

<各国の外需依存率>
ーブラジルとオーストラリアは内需型経済、メキシコとカナダは輸出主導経済

【グラフ編】現実:日本の外需依存度は低い / 理由:外国と比べても低いため


日本の貿易依存度は、世界的に見ても低い

出典:国連『政府支出,米ドル換算名目GDP』1999~2018年のデータを基に作成

https://www.fukurou.win/trade1/



<ノルウェークローネ>



<ノルウェー株価指数>



<ノルウェーの輸出>



<ノルウェー経済状況ー輸出額の約25%は石油>


 

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